1人が本棚に入れています
本棚に追加
ネイリストの先生那須さんに紹介してもらったお店で、こんなめにあうなんて思ってもみなかったネイリスト生活がはじまった。
「凪さん本当にやる気があるの?」
そんなことをいうのは内田店長だ。
彼女は美容室を我が物顔で仕切っている髪が果てしなくながく、垢抜けない30代後半の女性。
とても意地悪で友達がいないタイプ。
新人の女性にはいつも叩きつけをしているというはなしだ。
「はい、やる気はあります。お店の機材に慣れていなくてなかなか思い通りにいかなくて…」
まだスクールを卒業したばかりの私。
毎日3時間ネイルの練習にはげんでもなかなか上達がしなくて悩んでいた。
この美容室はヘアサロンと、ネイルができるようになっているブルーをベースにしたガラス張りの透き通った印象のお店。
そこで私はネイルとまつげのパーマとエクステをつける仕事をすることになった。
ネイルはある程度形にでき、徐々にお客様からのお問い合わせをうけるようになっていた。
しかし、毎日仕事終わりにぐちぐちと「腕もないのになにしにきたの?」「辞めて欲しい」「材料費のお金を支払え」など半ば恐喝めいたことをいわれ続けた。 私は毎日泣いた。自分の実力のなさを思いっきり感じ、生きる事すら不安になっていった。
スクールの先生に材料費の支払いを一万も求められ、お給料も10万しか貰えなかったことを話した。
ぐずぐずに泣きながら辛すぎる事を那須さんに話した。
「辞めてもいいだから泣かないで」といっともらった。
私は親にも相談した、
「このままでは生きていく自信がない。税金だって支払わないといけないから。」
「そんな仕事じゃしょうがない!辞めてゆっくり次の仕事をさがしなさい。」
事務の仕事よりネイリストのほうが高いお金を貰えると夢見た世界は、1ヶ月という短い期間で打ち切られてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!