4人が本棚に入れています
本棚に追加
僕は目一杯吸い込んだ。
身体中に何かモヤモヤした物が流れていくのがわかった。
それ以前に強すぎる刺激に何度もむせた。
その刺激に僕の頭はクラクラと揺れた。
そんな僕を見て友人は小さく笑った。
「みんな最初はそうさ。」
そうして友人の部屋の中で彼女と巡りあった。
僕も早く自分の彼女が欲しかった。
だから、すぐ家に帰り一番大人っぽい服に着替えて彼女に会いに行った。
そうしなければ世間の大人たちから糾弾されてしまうのだ。
小さな小窓から老婆が訝しい顔をして、僕の顔や服装を爪先から頭の天辺まで舐め回すように見てきたが、どうにか及第点のようだ。
初めての彼女は白い生地に黒い星のドレスを纏っていた。
とても綺麗で、彼女を手に入れた喜びは何にも変えがたかった。
自分の部屋で窓を全開にして、その白くしなやかな体に唇をつけ、彼女に熱い炎をともした。
もちろん部屋には鍵を閉めた。
まだ両親は僕が彼女と関係を持っていることは知らない。
もしバレてしまったら怒られてしまうのだろうか、快く許してくれるのだろうか、本気でぶたれてしまうかもしれない。
だから、しばらくは僕の部屋でしか彼女とは会えない。
そして、彼女のために買った皿に思い出が溜まっていった。
最初のコメントを投稿しよう!