罪状.壱‐弐

2/4
前へ
/37ページ
次へ
「さぁて、これからどうすっか~」 「「どうすっか~」じゃないよ!」 「え、なに? 俺に考えろっつーの?」 「そうじゃなくて、ヒカルさん!!」 「おぉ、ヒカルがどうかしたか?」 「助けに行かなくちゃダメだよっ、真っ先に逃げてきちゃって……」 「なんだそのことか。なら平気だよ、あいつは1人でも十二分に強い」 「でも、万が一――」 「良いんだよ。万が一のことは万が一に               、、、、 も起こらない。あいつは絶対に負けない」 「この世に"絶対"なんてことはないよ、兄貴。ヒカルさんがいくら強くったって            、、、 、どんな相手とやっても勝てるわけじゃない」 「おいおい、人の話はちゃんと聞けよ。   、、、、       、、、 俺は負けないと言ったんだ、勝てるなんて一言も言ってねぇぞ」 「それって一緒じゃないの?」 「違うな、全然違う。"負けない"ことは"勝つ"こととイコールじゃない。同じように"勝てない"ことと"負ける"こともイコールじゃない「良い例をいくつかあげてやる。例えば、ヒカルの師匠でもある死色の深紅こと《人類最強》哀川潤「例えば、結晶皇帝(クリスタルカイザー)こと《生涯無敗》六何我樹丸「例えば、揉め事処理屋 柔沢紅香「お前だって見たこと会ったことはなくても、その実力は知っているはずだ「現時点でこの世界で最も強いであろう三人、この三人と戦ったとしてもヒカル  、、、、 は負けない」 「むー……?」 「伝わらねえか? 要するに、これまでのヒカルの戦績は勝利が9割、敗北が0、でもって引き分けが1割ってわけだ。まぁ、厳密に言うと引き分けとはまたちょっと違うんだけどな」              、、、、、 「あぁっ! 確かにそれなら、負けてない!!」              、、、、 「な、それがあいつが絶対に負けないって言った理由だ」 「なるほど」 「それを踏まえてお前に聞こう。ヒカルと戦っているあいつは、果たしてその3人に勝てるほどの強さか?」 「いや、全然」 「だろ。だから俺はあいつに任せて来たってわけだ。さて、それではあいつが戦ってる間に俺たちは何をするべきでしょうか?」
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加