罪状.壱‐弐

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「黛兄妹の行方を捜す……?」 「なんで疑問形なんだよ。疑問文には疑問文で返せなんて教えた覚えはねぇぞ「いやまぁ、それもあるんだけどよ…… どうも今回の依頼はきな臭いってゆーか、裏があるよーな気がしてならねえんだよな」 「気になることでもあったの?」 「特に何かあるってことじゃないんだけどな。少し違和感がある」 「なら尚更はやく調べなきゃね」 「そうだな、まずはあの包丁ヤローが言ってた「ルーシー」とかいう奴からいくぞ」 「へ? あの兄妹じゃなくて良いの?」 「あぁ、黛の双子についてはヒカルの意見を聞いてからの方が良い。俺らの依頼であると同時に、ヒカルの依頼でもあるんだからな」 「おぉ、そっか!!」 「それに、双子とは会った瞬間バトルになるだろうからな。お前を守りながら二人を相手にするのは、俺一人じゃあちとキツイ。その点、ルーシーとかいう奴は恐らく情報収集担当だ。あいつの言い方でピンときた」 「なるほど、だから戦闘になりにくいルーシーって人から捜すんだね!?」 「そーゆーこと」 「ふーん。なんか兄貴、思ってたより頭良いね。いっそ《探索》担当になっちゃえば?」 「んじゃあ《殺戮》担当はどうすんだよ?」 「私がやれば良いんじゃない?」 「やめとけ。3分で死ぬぞ」 「平気、 3分間は待っててもらえる予定だから!!」 「それでも6分じゃねえか、しかもなんで相手が大佐なんだよ」 「個人的にはパッチンする方の大佐が好きなんだけどね」 「俺はあれだな、狼男になる大佐が好きだ」 「やっぱり昭和だよね」 「だな。最近のガキどもはある意味可哀相だよな、元祖ダブルライダーを知らねぇてのは。それに、そもそも……」 「ん? どうしたの兄貴、いきなり黙っちゃって」 「この勢いで喋りはじめるとまた邪魔されそうでな」 「考えすぎじゃないの? ここには私たちしかいないんだし」 「いや、実はな、もういるんだよ「なぁあんた、そろそろ出てきたらどうだ?」 「ふふふ、さすがは序列一位の殺し名だけはありますね」 「生憎だが褒めてもらっても何も出ねえぞ」 「いえいえ、こうして匂宮のエースである貴方たちと話せるだけで十分ですよ」 「はぁん。なんか変わってんな、あんた「で、俺達に何か用か?」 「えぇ、お聞きしたいことがいくつか「っと、その前に自己紹介ですかね「はじめまして、悪宇商会のルーシー・メイと申します。以後お見知りおきを」
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