罪状.壱‐肆

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 席に向かう途中、切彦ちゃんの言っていたルーシーさんであろう人物が席を外した。奥のトイレに行ったみたいだ。 「一体何やってるんですか? お店の方に迷惑ですよ」  そうは言っても、この店にいる客はボクらしかいないから、ちゃんと注文をしている限りは店に迷惑がかかるようなことはないはずだ。 「あー、ヒカルさーん。その様子だと無事だったみたいだねっ」 「うんまぁ、おかげさまで……?」 「ほら、言った通りだ。ヒカルが負けるわけねえんだって――っと、そんなことよりもだ。お前が戦った相手、斬島切彦だったんだよな?」 「えぇ、そうですけど」 「一緒に来るじゃなかったのか? 俺らはルーシーにそう聞いてたんだが」 「いや、普通にいるじゃないですか。この子ですよ、斬島切彦ちゃん」 「「え?」」  そう言って切彦ちゃんを紹介するが、出夢さんと理澄ちゃんは素っ頓狂な声を上げる。 「た、確かに背格好や服装は良く似てるけど……」 「あの時のような殺気がまるで感じられないぞ」  あぁ、そっか。二人は事の顛末を知らないんだっけ。と言ってもボクもどういった理由でああなったのかはわからないし……  そうなると三人組の件にそれも合わせて、ルーシーさんと切彦ちゃんに聞かなくてはいけないのか。 「まぁまぁまぁ、その件についてはある程度の事ならこちらから説明しますから、とりあえずお座りになられてはどうです? お互い、立ち話で済むほど簡単な状況ではないのですから」  どう説明しようか悩んでいると、不意に声をかけられた。 「……あ、ルーシーさん」 「あぁ、お帰りなさい。どうもご苦労様でした、切彦くん」  やはりこの人がルーシーさんで間違いないようだ。  体格からして女性だよな、随分と変わった格好をしてるけど。 「えぇと……」 「あぁ、挨拶が遅れました。射堂光です」 「おぉっ!! 貴方が射堂さんですか、お会いできて光栄です。私はルーシー・メイといいます。以後、お見知りおきを」 「いやいや、こちらこそ」  なんかいやにテンションが高いのが気になるけれど、今はそんな場合じゃない。  黛兄妹と匂宮について知ってることを聞かせてもらわないと。 「少しお聞きしたいことがあるのですが、よろしいですか?」  そう思っていたら、先にルーシーさんの方から話を振ってきた。
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