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「――と、いうわけです。こちらが話せるようなことはこれくらいですかね」
ルーシーさんが喋り終わり、張り詰めていた空気が一度緩む。
双方が知る限りの情報を話しきると、否応にも今回の依頼の真相が見えてきてしまった。
「すべては、ボク、出夢さん、切彦ちゃん。そして、黛兄妹を殺し合わさせる為の計画……」
「すると、なにか? 俺たちはずっとそいつの手の平の上で踊っていたってことか?」
「まぁ、そーゆーことだろーねー」
「……困りました」
「ふぅむ。ですが、それほど酷い状況じゃなさそうですけどね」
「あ、ルーシーさんもそう思います? 確かにえげつない計画ではあるけど、状況としてはそう悪くないですよね」
「どういうことだ?」
「どういうことー?」
「えぇとですね。あちらさんの計画は、ボクたち全員に殺し合いをさせることです」
「おう」
「うん」
「でも、黛兄妹以外の――ボクに出夢さん、切彦ちゃんはそれを知ってしまった」
「だな」
「だねー」
「知ってしまったなら、わざわざ相手の計画に乗ってやる意味が無い。後はこの事を黛兄妹にも話せばボクらが争う意味が無くなる。という訳です」
「おぉっ!!」
「そういうことだったんだねっ!!」
「ご理解頂けたようで……」
「となると、話は簡単ですね。黛のお二人を探して、事情を説明しましょう」
「……でも、どうやって見つけるんですか?」
「たとえ見つけたとしても、素直に話を聞くとは思えないしなぁ」
「だよねー」
「それなら二手に分かれましょうか」
「良いですね、それ。ではパワーバランスを考えて…………射堂さんと切彦くんは兄妹の捜索を、匂宮のお二人は私と一緒に他にめぼしい情報の収集をお願いします」
「ヒカルと斬島だと偏り過ぎてないか? 話し合いで解決しようとするなら理澄かあんたの方が良いんじゃ……」
「確かに話し合いだけならその組み合わせの方が良いんですけどね。戦闘になる確率はとても高いですから、ある程度戦える人でないと…… 話す前にやられてしまっては元も子も無いですし」
「戦うなら俺だって出来る。俺じゃない理由は?」
「貴方と射堂さんが一緒にいるところは黛兄妹に見られています。その二人が、これは罠だ。と言ったところでそうは信じられないでしょう? だから、切彦くんでないといけないのです」
「ん、そういうことならしょうがねえな。二人共、頼んだぞ」
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