罪状.壱‐壱

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「なーなー ここであいつら倒しとかなくて良かったのか?」 「良いんですよ。この山はおそらく彼らのフィールド。そんな所で戦ったら、それこそ命がいくつあっても足りません」 「そうは言ったってよ、街に戻られたら戻られたで厄介じゃねえのか? 簡単には見つけられねえだろうし、また向こうから奇襲受けることになったら嫌だぜ」 「確かにそうなん――「それなら私がいるんだよっ!!」  ………………。  今何か聞き覚えのある声が聞こえた気がするんだけど、気のせいだよね。 「やっほー。お久しぶりだねっ、ヒカルさん。兄貴は三日ぶりー」  あれ、おかしいな?  名前まで呼ばれてしまった。しかも、ご丁寧に出夢さんまで。 「あ、あの。出夢さん。これって――」 「それ以上言ってくれんなよ、ヒカル。流石の俺もぷっつんしちゃうぜ」 「……はい」
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