罪状.壱‐壱

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「――――で?」  おおう。出夢さんがプルプルしてる。  意外と面白い、なんて言ったら怒られるか。 「んー? なにー?」 「だ か ら「何でお前がここにいるんだ、理澄!!」  まぁ、そーなりますよねー。  危ない状況になることを予想して置いてきているのに、その本人がひょっこり現れるんだもの…… 「えーっとねー、うーん、そうだねぇ、単刀直入に言うと――」 「――一人でいてもつまらないから来ちゃった!!」 「「…………………」」  うーん。これにはボクも絶句。 「――な理由で」  また、プルプルしてる。 「うん? なぁに、兄貴」 「そんな理由で、」  おっ!? ブルブルになった。 「そんな理由で、こんな所にひょいひょい来てんじゃねーよ!!!!」  あちゃあ。  キレちゃってますね、出夢さん。  まぁ、理澄ちゃんも自業自得だし仕方ないか。 「えー だってー 「だっても何もあるかっ!! 俺はな、今回の依頼はお前を連れて行く事のメリットが0に等しいと、下手すりゃデメリットにしかならないと考えたからこそ、置いていくことにしたんだよ!!「それだってのに、なーんでお前は言うこと聞けねーんだ!!」  そろそろ止めないとダメかな?  あんまり大騒ぎしてターゲット以外の厄介な相手とかに絡まれても面倒くさいし――って、あれ? これってまさかの敵出現フラグじゃ……  いや、そんなわけ無い。  無いはず。  無いと祈りたい。 「まぁまぁ出夢さん、そのくらいにしてあげましょうよ。理澄ちゃんも反省してるでしょうし」 「ちっ、しゃーねーな。今日のところはヒカルに免じて許してやるよ」 「わーい、ありがと兄貴。ヒカルさんもありがとー。二人とも大好きっ!!」 「た だ し「次は無いからなっ!! 良く覚えとけよ」  ふふふ。  口ではああ言ってるけど、出夢さんもなんだかんだ理澄ちゃんには甘いから。  どうせ次同じようなことがあっても、許しちゃうんだろうな。  しかし、あれだ。  理澄ちゃんのアレはまだ治ってないのか。  まぁ、こちらとしても言われて嫌な気はしないし、出夢さんももう諦めてるようだから気にしないでおこう。
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