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「っと、良く考えたらこれからどうするかまだ決めてませんでしたよね。改めて、どうします?」
「あぁ、いざってところで邪魔が入ったから、な」
お気付きだろうか?
今の "な" の部分が強調されたことに。
そして、その瞬間にだけ出夢さんの顔が理澄ちゃんに向いたことを……
意外と根に持つタイプな出夢さん。
「あ、そうそう。そのことなんだけど…… 私が調査すればいいと思うんだよっ!! というより調査します!!」
「「…………………」」
また絶句。
本当になんなんだろう、この娘は。
ついさっき、勝手について来たことを怒らたばかりだというのに、今度はもっと危ないことに首を突っ込もうとするとは……
「なぁ、ヒカル」
「なんでしょう」
「今、理澄の口から"調査する"って聞こえたんだけど。これって俺の耳が悪いのかな? それともあいつの発してる言語に間違いがあるのかな?」
「残念ですが、そのどちらでもありません。確かに理澄ちゃんは"調査する"と言いました」
「そうか、ありがとう」
そう言うと出夢さんは、理澄ちゃんの首ねっこをつかみ近くの茂みに入っていった。
「いきなりどしたの兄貴? へ? ちょっと待って、その関節はそっちには曲がら――」
…………………。
なんか悲鳴じみた声が聞こえたけどスルー。
なんか変な音もしてるけどスルー。
これは、あれだ。気にしたら負けってやつ。
「ごめんなさい」
数分後――
泣きながら土下座する理澄ちゃんの姿が、そこにはあった。
「少し調子に乗りすぎました」
うん、ホントにあの数分間に何があったんだろうね。
教本に載せられるくらい綺麗な土下座だ。
人間なにをされたらここまでの状態になるのだろうか? ちょっと気になる。
「まーったく。次はないって言ったばかりなんに、なにやってんだよ」
「でも――」
「でももテロもゲリラもあるかっ!!」
なぜここでそんなボケをっ!?
「兄貴、それつまんない」
「すいません。さすがに今のはちょっと……」
「はぁ? 何言って――――あ///」
出夢さんが真っ赤になった。
というより"あ"ってなんです、"あ"って!? 天然ですか? 天然なんですね?
「///と、ともかくだな……」
あ、必死に立て直そうとしてる。
相変わらず顔真っ赤だけど。
「はいはい。分かったから、落ち着いてよ兄貴」
「うるせぇ!! 元をただせばお前が――」
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