冴島 昌美『少年』

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この年の1月、桜田門事件が起こり、天皇が襲撃された事に衝撃を覚えた。 3月には満州国が建国された。 当時は日本がものすごい国に感じていたのも確かだ。 そぅ思ったのも束の間で、5月には犬養首相が殺害されるとゆう事件が… そぅ言えば、その動揺の中父が隅田川に両国橋がかかったと聞いたのを今も鮮明に覚えている。 父に見に行きたいと願い出たら誕生日祝いとして連れて行ってもらったからだ。 その夏、父の甘さに付け込み、調子に乗った私はロサンゼルス五輪を見たいと言って、地鳴りがする程、怒鳴り散らされた。 いつもは優しい母も姉も雷鳴の如く、私を叱った。 あの怒りは人生で1番かもしれない…。
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