オ モ イ 伝 ワ レ

6/7
前へ
/38ページ
次へ
はぁ、全く散々だ。 中河を起こしただけなのに、 映画はみれないわ、 平塚と日比谷に振り回されるは、 とんだ一日だ。 ため息をつく、帰り道はいつもよりあしどりが重く感じた。 すると、平塚は俺の耳元でささやくとフワリと笑って、日比谷と手をつないでかえっていった。 おぃおぃ。恋人繋ぎかよ。 残されたのは、平塚の言葉と中河と俺......だけ。 夕日が二人を照らして、長い影を創っていた。まるで、この世界に俺達だけしかいないみたいですごく、ドキドキしてた。 ドキドキしてんのに、なぜか心地好くて。ずっとこれが続けばいいと、思う俺が居た。 あ...そぅか。 これが、「好き」なんだ。 ただ、純粋に「居たい」これでいいんだ。 そぅ思えば、いつしか不安や迷いは消えていた。 今なら、言える。 決心をした俺は、中河の名前を優しく愛おしいそぅに呼んだ。 「中河...。」 愛おしい人は、振り返り笑顔を見せてくれる。 なぁ、そんな笑顔も声も仕種も体も心も、何もかも独り占めにさせてくれよ。 中河 悟。 「俺、言わなきゃなんねぇこと、あんだ。」 「なに?雅也?」 恐れなんてない。 「俺、お前のこと」 迷いなんてない。 「お前のこと」 ただ、 「好きだ。」 愛おしい。 「大好きだ。」 オモイ伝ワレ。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加