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どこぞのハンバーガーショップが同じように黄色い光を放ちながら曲線を描いた看板をくるくる回しているが、そんな人工物とは違う美しさを兼ね備えている。
その看板の前の交差点で俺は信号待ちをしている。赤い光を横に見ながら俺は相変わらず月を見上げた。
空にかかる大きな雲のように、もやもやしたものが俺の頭から離れない。
横目にとらえていた赤い光が青に変わると俺はそのまま自転車をこぎ始める。
その瞬間、体の中に響くようなエンジン音と共に確かに聞こえたのだ……。
その怒り狂うかのような乱暴な音に改めて我に返ると、斜め後ろから車が迫ってきていたのだ。
文字通りの上の空だったのだ。
危うくひかれてしまうところだった……。
そう、確かに聞こえたねこの鳴き声に身体が反応しなかったら……。
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