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むかしむかし―…
一つの国が滅びた。
ヴァルカドニス王国と云う、小さな国であったと伝えられた。
―数百年も昔のお話。
光と闇を纏い、たくさんの花が芳しく咲き誇っていた美しい国は、一人の民によって滅亡することになる。
―その民は、アルフと云った。
血で汚れた王家の紋章を身に纏い、国を滅した後に、小高い丘の上で自害したとされる。
まだ二十歳前後だったとされる彼が国を滅し、自害した理由は、実のところ今も分かってはいない。
しかし、誰もが口にする。
彼は英雄だったのだ、と。
(アリンヌ=エリオット著『追憶の堕天使~ヴァルカドニスの華~』より)
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