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イッシュ地方の全ての人がその男を知っていた。
救助に来ていたポケモンレンジャーも例外ではない。
「お、お前はっ…!」
誰もが驚きの声を上げる。
彼はN。
かつてプラズマ団の王としてこの地方を混乱に陥れた張本人だった。
そこへ、国際警察のハンサムが到着する。
「やっと見つけたよ、N。さぁ、おとなしく――」
「ゲーチスは何処だい?」
Nがハンサムの話を遮って質問する。
「おい、人の話は最後まで――」
「もう一度聞こう、ゲーチスは何処にいる?」
「奴はお前と同じ時に姿をくらました。今どこにいるのか見当も付かないよ。」
ハンサムはイライラした様子で答える。
「さて、そろそろ――」
「ならお前達に用はない。消えろ。」
Nがそう言うと同時に後ろから伝説の黒龍、ゼクロムが現れる。
ポケモンレンジャー達が慌ててゼクロムを攻撃するが、全く効果がない。
「ゼクロム、クロスサンダー。」
ゼクロムが再び電気エネルギーの塊になり、ハンサム達に突撃する。
しかし、ゼクロムの攻撃がハンサム達に届くことはなかった。
「ギリギリ間に合ったようね…」
そこには、シンオウ地方のチャンピオン、シロナと、ガブリアスの姿があった。
「あんたは、シンオウ地――」
「ここは私に任せて早く逃げなさい!」
「くっ…わかった…」
ハンサムは結局何一つ台詞を言うことができずに、涙目になりながらもポケモンレンジャーを連れて退却した。
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