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亜美は椅子に腰をかける前に
そっと両手を合わせて
「遅れて…ごめんね」
と謝った
「別に全然、待ってないよ!!それより俺の方が謝らないといけなくて亜美ちゃんの誕生日を一緒に過ごせなかったのは俺が悪いんだから」
と勢いで謝った
すぐに言えてよかった
メールで伝えるよりよっぽど気持ちが繋がった気がした
「結局…里菜とかに誘われてボーリングしに行ったよ♪智くんのアホーとか言って投げたらストライク」
と意地悪く笑う
「だってアホだもの」
と苦笑い
そもそも亜美の誕生日に智哉が何をしていたのかは知らないのだから
勝手な妄想で嫉妬されても仕方ないのである
突然カフェ店員さんが
「ご注文は何になさいます?」
と尋ねてきた
ふと思い出したが
ここのカフェは駅と大学通りが近くて30年以上前から営業しており趣がある
当時の学生も待ち合わせなどに利用していたと聞いたことがあった
「四重奏特製バースデーケーキをお願いします」
「智くん?なにそれ?」
「ハーイ了解しました~~♪♪」
「ハッピーバースデー亜美さーんハッピーバースデートゥユ~」
とカフェ店員さん全員で歌ってくれた
「サプライズ作戦成功?こういうの亜美ちゃんキライ?」
「………………恥ずかしいよ智くん…………でも嬉しい」
と顔を真っ赤にして喜んでくれたであろう亜美をチラチラと見ながら
「亜美ちゃんささやかだけど俺からのプレゼント」
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