~羽唄~

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いつものように工具を片手に白い枝の上を渡る、靴底の機械油で滑らないように注意しながら。 しばらく進むと微かに聞こえてきた歌声。 多分、言葉はないメロディだけの唄。 「スイ、」 俺が呼びかけると歌声は止み、変わりにザクザクと草を鳴らしながら近づいてくる。 俺の肩まであるクローバーやら色とりどりの花をかき分けて現れたのは、白すぎる女の子。 その子はキィと鳴き、にこりと笑った。
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