第二章 海竜神の咆哮

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「なっまだ戦う気か!?」晴紀は構える。だが様子がおかしい。顔は気絶している。 oceanringだけが未だに輝いている。 「oceanring単体で動いている?」 菊乃は目を見開いた。     バイルは最後の一撃のために拳を天へと向けた。 「大気よ、雨よ、全ての水よ、今ここに集結し全ての敵を洗い流す海竜の息吹」 上位水魔法を超えたトップクラスの術。 かつて、ベリエルが放った一撃と同じ聖霊級魔法。 バイルの声はもう彼の声では無くなっていた。 体のあちこちから出血仕出した。あまりの魔力に躯が耐えられ無くなっていた。 『Requiemshower』(全てを洗い流す雨) だが、発動する瞬間にバイルの指が切り落とされた。 Oceanringが地面に転がる。魔力の媒体が無くなった指輪はとうとう光も放つ事が無くなった。 ドサッとバイルは倒れる。辛うじて息はある。 『今度こそ終わったよな?』晴紀は菊乃を見る。 コクンと菊乃は頷くと指輪を回収した。 『終わったんですよ。何もかも。』 長い夜が遂に明けた。 空から射す光が抜け殻となったバイルに当たる、すると彼の体は小さな水溜まりとなって消えた。
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