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歩いて三分の所で異変に気づく晴紀。
『あれ、どこだ此処。』方向音痴の晴紀だが流石に自宅からコンビニまでの道ぐらい解る。
『そういやさっきから人が一人もいない!どうなってんだ!』晴紀はアスファルトを駆ける。
『前にも似た様なのが在ったな。てことは魔術か?』
『ご名答。俺の魔法だ。』晴紀の前には青い髪にスーツを着崩した様な服を着た年齢は晴紀より6くらい上の男が立っていた。
またか、と晴紀は嫌気がさした。
『何で俺なんだよ!』晴紀は怒鳴りつける。
『そりゃ同じ魔導具使いなら見てぇだろ。』
男は拳に蒼い指輪を嵌めていた。
『魔導具だと。』夏休みに入る前の日の事を晴紀は思い出し寒気がした。晴紀の驚きと共に津波が晴紀に向かって来た。
『くそったれ!』晴紀が両手を翳し術を詠んだ。だが何も起こらない。
『!!』晴紀は波に飲まれた。
『おいおいどーしたよ、何か出せよ。』男は笑いながら歩み寄って来る。
『ゲホッゲホ、何で出ない。』
晴紀は自分の右手を見ていた。
『チッ、ザコには見せねぇってか!』男は晴紀を睨みながら
こちらに近づく。
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