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街は闇に飲まれている。
路地裏からバシャバシャと少量ながら波打つ音が聞こえる。
そこには、アスファルトを背ビレだけ出して滑る様に泳ぐ生物がいた。
そこに立ち塞がっているのはバイルだった。
『よぉ見つけたか?』バイルの声に反応して生物が跳ねた。
跳ねた生物はイルカだった。
『Searchdolphin』
バイルが術名を言うとイルカは水の球となった。
バイルはその球を拾う。
『あぁ!他のイルカの信号が無ぇ!』
バイルはイルカのコアとなる球を握り潰しそうになる。
その時、バイルの後ろから声がした。
『シケタ水だなぁバイル。』黒いフードを被った男はバイルに近づく。
『テメェは何しに来やがった。』
『そうカッカすんなよ上から破門喰らってんぞお前。魔術結社キング・アクエリアスの代表からだ。』男は古汚い紙をバイルに指しだした。
男は立ち去ろうとした。
『待てよ暇つぶしに遊ばねぇか。』
『遊ぶ・・か、5分間ならいいかもな。』
バイルはニタァと笑うと路地の上を飛ぶ。
『Watergun』水の弾丸が男を襲う。
『やっぱシケてやがるな。』男は水で出来た人の形をした物体を出現させた。
『Revivalclone』
水の弾丸は男の水人形が吸収する様に防ぎ、躯を強化した。
『チッめんでぇな、一気に潰すか。』
バイルは魔力を一点に集中する。
だがそれは男の一声で掻き消された。
『時間だ。確かに伝えたぞ。』
男は立ち去って行く。
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