第一章 壊乱の海

2/3
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
街は闇に飲まれている。 路地裏からバシャバシャと少量ながら波打つ音が聞こえる。 そこには、アスファルトを背ビレだけ出して滑る様に泳ぐ生物がいた。 そこに立ち塞がっているのはバイルだった。 『よぉ見つけたか?』バイルの声に反応して生物が跳ねた。 跳ねた生物はイルカだった。 『Searchdolphin』 バイルが術名を言うとイルカは水の球となった。 バイルはその球を拾う。 『あぁ!他のイルカの信号が無ぇ!』 バイルはイルカのコアとなる球を握り潰しそうになる。 その時、バイルの後ろから声がした。 『シケタ水だなぁバイル。』黒いフードを被った男はバイルに近づく。 『テメェは何しに来やがった。』 『そうカッカすんなよ上から破門喰らってんぞお前。魔術結社キング・アクエリアスの代表からだ。』男は古汚い紙をバイルに指しだした。 男は立ち去ろうとした。 『待てよ暇つぶしに遊ばねぇか。』 『遊ぶ・・か、5分間ならいいかもな。』 バイルはニタァと笑うと路地の上を飛ぶ。 『Watergun』水の弾丸が男を襲う。 『やっぱシケてやがるな。』男は水で出来た人の形をした物体を出現させた。 『Revivalclone』 水の弾丸は男の水人形が吸収する様に防ぎ、躯を強化した。 『チッめんでぇな、一気に潰すか。』 バイルは魔力を一点に集中する。 だがそれは男の一声で掻き消された。 『時間だ。確かに伝えたぞ。』 男は立ち去って行く。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!