消え去った欲望

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馬子さんも一応太子の右腕の者だ 推古様に言っても多分権力が違い過ぎる だから相手にしてくれない可能性が高い 「っはぁ、はぁ……」 じゃらじゃらと枷に残っている鎖を引きずりながら何も手がかりがないこの闇をずっと歩き続けた 「はぁ…っくそ、太子はどこから…いつも来てるんだ……っ!!」 爪が割れて血が出た指を舐めながら盲目になりかけた目で懸命に辺りを見回した 「はぁはぁ………」 その時だった 「っあ!」 ドサッ!! 何かにひっかかったのか僕は派手に転んでしまった 「っいたた……」 何にひっかかったんだろ……… どうせ鎖が何かにひっかかったのかな? 僕はそう思いながら足を見た
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