遠くに消えた笑顔

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今夜は冷え込み空はあつい雲がいくつも浮かんでいた 藍色の奥深い色をさせた空はどこか重たげだ 早々と先を急いでいるとばったりと馬子様に会ってしまった こんな時間にうろうろしていたら怪しまれる 「……小野」 馬子様の低い声が辺りに響いた 背筋がゾクッとなって冷や汗が垂れる 何を言われるのか…… 少し不安だが顔に出さずに我慢する事で精一杯だった 馬子様はゆっくりと口をひいては驚きの言葉を発した 「……太子には、近づくな……あいつは壊れてきているかもしれん……」
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