桜 サクラ

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「正則~」 家の前にいた正則に声を掛けた 手には袋が握られていた 「おぉやっとお出ましか 2人で何処行っていたんだ?」 「ゲーセン お前の言っていた音ゲかなり並んでいたぞ」 「そうか ところでさ今日親が居ないから一緒にメシ食わないか?3人で」 正則は再び袋を上げて見せた 「俺は構わないが絢香は?」 「私もいいよ」 「じゃあ決まりだ 貴靖、鍵開けてくれ」 「俺ん家で!?」 「当たり前だ、その為に待っていたんだぜ?」 「はぁ‥、分かったよ」 鍵を開けて貴靖と正則が玄関に入って来た 絢香は家に戻ってから来るそうだ リビングに入って正則はテーブルに袋を置いた 「何買ってきたんだ?」 「西方軒のチャーシュー丼と野菜炒め」 西方軒とは街にある中華料理屋で街では評判の店で昼時には行列も珍しくない 「よく買えたな」 「まぁ運が良かったんだよ」 「流石だな」 「ははは、まぁな」 貴靖は会話をしながら自室へ着替えに行った 「お邪魔しまーす」 と、玄関から絢香の声が聞こえる (3人揃ったな) 貴靖も手短に着替えリビングへ降りる 「貴靖~レンジ使っているぜ」 「あぁ 飲み物はどうする?」 「私麦茶~」 「俺は麦茶な~」 「2人共麦茶だな」 「「引っかからなかったかー・・・・」」 「当たり前だ」 貴靖がボトルとコップを運んで、正則はレンジとにらめっこをしている 絢香はソファーで寝転んでテレビを見ている テレビでは東京の建て籠もり事件を中継していた 「出来たぜ~」 正則と貴靖がチャーシュー丼と野菜炒めを運んで来た 「待ってましたー」 ソファーから絢香が降りてくる 3人はテーブルを囲んで手を合わせた 「いただきまーす」 「いただきマウス」 「・・・・正則寒い いただきます」 3人で囲む食卓 それは3人にとって当たり前の光景だった
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