想い オモイ

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絢香は宿題があると言って帰った 家には貴靖と正則が2人でテレビに向かってゲームをしていた 「なぁ貴靖」 「なんだ?」 2人のテレビに目を向けたままの会話が始まった カチカチとボタンを押す音が絶え間なくする 「俺さ……ずっと前から好きな子がいてさ 明日告るつもりなんだ」 「へぇ~‥‥意外だな お前がか?」 「あぁ」 「で?俺にそんな事言ってどうするんだ?」 「どうって事は無いが・・・・・・できれば応援して欲しい」 「因みにその好きな子って誰だ?」 ゲームの中では2人は互角の戦いだった 「お前も良く知っている」 「だから誰だよ?」 「玉城絢香・・・・・絢香だよ」 その時に貴靖のキャラと正則のキャラがK.Oされた 引き分けだった 「・・・・・・そうか」 「驚かないのか?」 「内心驚いたが、まぁ・・・・・・そんな気がしていた」 嘘だった そんな気なんて気付かなかったし、知らなかった 「応援してくれるか?」 出来る訳ない しかも今日のゲーセンの出来事もある とりあえずは・・・・・ 「いや、応援は出来ない」 そう答えておくべきだろう 「どうしてだ?」 「人の応援が無ければお前は告る事も出来ないのか? 絢香がなんて言うかなんて分からないが・・・・・・そのなんだ・・・・・ 当たって砕けて来い 骨は拾ってやる」 「・・・・・・・そうだな・・・・・」 たとえ上っ面でも励ますのが精一杯だった 「・・・・・俺帰るわ ありがとな、お前に相談して良かった」 「・・・・・・そうか ・・・・・・気をつけてな」 「あぁ そんじゃぁな」 正則が出て行った家にはリビングに1人貴靖が居るだけだった
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