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(正則の奴上手くやっているかな・・・・・)
図書室の薄暗い天井を眺めながらそんな事を考えていた
「あら、近江君ごきげんよう」
図書室の静寂のせいで足元の方から声がしているのが分かった
「・・・・・なんですか先輩」
「偶然会ったものだから
一緒に昼食でもどうかしら?」
「どうせ俺の事を探して、誘うつもりでここに来たんじゃないですか?」
「よく分かったわね
もしかして相思相愛!?
だったら今すぐ付き合いましょう貴靖君!!」
「バカ言ってないで自分の昼飯の心配した方が賢明ですよ」
この先輩は桐山苺花(キリヤマ マイカ)
貴靖の一つ上の先輩でしょっちゅう貴靖に言い寄って来る
「あなたも自分の昼ご飯の心配をなさったら?
なんなら私が一緒に-------」
「結構です、それに昼飯は要りませんので」
「つれませんわね・・・・・・まあ良いでしょう
では、ごきげんよう」
良く付き纏ってくるあたりはうざいがしっかり引き際を知っている
「教室戻るか・・・・」
椅子を戻して教室へ足を進める
(正則の奴上手くいっているといいな・・・・)
貴靖は2人が付き合う事には反対ではない
2人が幸せならそれで善い
だが、貴靖の感情にどこかそれに関して2人が上手くいかない様に期待している自分がいる貴靖はそれに蓋をして教室へ向かった
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