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教室へ戻ると正則はいなかった
周りにはクラスの連中が各々自由気ままに昼食をとっていたり、談笑などしている
(まだ帰ってないか・・・・・・・・・上手くやってんだな)
1人で勝手に納得してはみるが、どこか気分が晴れず、悲しみや怯えにも似た気分になる
昼休みはまだまだ時間が有るので、席で行きに買ったコンビニのパンと野菜ジュースをカバンから取り出して昼食にする
この学校には食堂や売店がなく行きにコンビニの品物を買って来る生徒も少なくない
特に弁当を作るのが珍しい貴靖はほとんど毎日コンビニに頼っている
今日のパンはメロンパンとマヨコーンだ
野菜ジュースは毎度お決まりの"青い野菜ジュース"
何故このような青色が濃い紺色にも似た彩りになってしまったのかは開発者に聞いてみたいが、味は美味くてよく買う
メロンパンとマヨコーンの組み合わせは初めてだがメロンパンはダントツでしょっちゅう食べている
まずはマヨコーンから頬張る
味は確かにするが何故か
味がしない
野菜ジュースも同じだった
続いて好物と言っても否定出来ないメロンパンを頬張った
・・・・・・・が、どういった訳か味がしない
否、確かに味はする
するのだが、それ以上の感情に味の認識が押し流されている
溜め息をついてゴミ箱へ向かって袋ごと投入して教室を出る
味を押し流した犯人は未だに貴靖の感じ取る全てを押し流している
覚えのある感情だが思い出せない
一瞬それに苛立ちを覚えたがそれすらも押し流された
(正則の奴遅いな・・・・・)
"もしかしたら絢香が正則と付き合う事になってしまったら・・・・・"
それを考えた瞬間に感情を押し流した何かが増した
(もしかして今俺は・・・・・・・不安なのか・・・・?)
思い出して自問した瞬間濁流の様に流れていた感情の正体が分かった
この感情は"不安"だった
そして、何に不安になっているのかもその時分かった
"告白が成功して絢香と正則が付き合う事"
正にそれ以外の何物でも無かった
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