想い オモイ

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自分の感情の意味が分かった時には何故か玄関付近の自販機の前に立っていた それも自販機と5cmも無い距離で、これから自販機にキスをするかの様だった (・・・・・・何やってんだ俺) すぐさま自販機と適切な距離をとって、とりあえず適当に何かを買って飲む事にした 昼のラッシュ時を過ぎた為人は一人もいなかった 小銭を入れてスポーツドリンクを購入してゴミ箱の近くで缶のプルタブを起こし倒す 何の変哲も無いスポーツドリンクだったが喉を潤した事は有り難かった スポーツドリンクを飲みながら廊下の方へ目をやると見覚えのある人影がこちらへ向かって来るのが見えた 正則だった 正則は貴靖の前に足早にやって来た 「よう・・・・・正則」 返事が無い だが、聞こえて無い訳がない 「正則・・・・・・どうだったんだ・・・・?」 やはり返事が無い 「どうしたんだ正則------」 「お前知っていたのか・・・・・・?」 やっと開いた正則の口調はこの上なく暗かった 「何を・・・・だ?」 「とぼけるな!!」 その言葉と共に正則の腕が貴靖の制服の襟に掴み掛かった 「お前知ってたんだろ!!! 絢香が・・・・・・絢香がお前の事・・・・・!」 正則は最後まで言わなかったが言いたい事は分かっていた 「・・・・・・・・」 「なんとか言えよ!!!」 襟を掴んでいる正則の表情は怒りと悲痛に満ちていた 「・・・・・・あぁ、知ってた」 「!!」 その言葉で正則は怒りをぶつける為に拳を貴靖の頬にぶつけた 貴靖の持っていた缶が床に中身をまき散らして転がった 貴靖は尻餅を着いた 「・・・・・・・・」 貴靖は何も言わなかった 言えなかった 「知ってて俺の背中を押したのか・・・・・!!!」 「・・・・・・」 「何も言わないのかよ!!」 「俺には言える資格なんて無い・・・・・」 貴靖は目を逸らしてそう一言発した 「馬鹿みたいだな俺・・・・」 正則は吐き捨てる様に言い放った
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