想い オモイ

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貴靖が我に帰ったら目の前には青空が広がっていた 確認した携帯の液晶が3:28を告げていた いつもの屋上のベンチの上で宙を見上げていた 現実に引き戻されてようやく一番大切なモノを失った事を実感した 眼と頬に濡れた感触があった それが涙だと気がつくに時間は必要無かった (俺も泣けるんだな・・・・・) 不意にそう思った 正則が何故あのような事を言ったのか 冷静になった今はそれはなんとなく分ってきた 正則の事だから自分から姿を見せない様にして絢香にフった自分への負い目を感じさせない様にする為だ 多分それ以外の理由も有るだろうが、確信は無い 何せ本人がいないし、どう間違っても言える事じゃない だが、それは絢香が貴靖と付き合う事を前提条件にしている おいそれと出来る事じゃないし、3人の関係はそんな程度ではなかった筈だ まさか絢香がそこまで貴靖の事が好きなのを知っていたから・・・・? だとしても、それは絢香に負い目を感じさせる事になる だったら正則自身が辛いのかもしれない そうなら、絢香への正則の想いは相当のモノだ (そうなら何故・・・・・・) 「貴靖・・・・・・・来てくれたんだ」 声がした方に目を向けると絢香がいた 「えっ・・・・・あぁ・・・まぁな・・・・・」 貴靖が眼を逸らしている事に気付いて絢香が顔を見ると貴靖の頬が腫れていた事に気付く 「貴靖それどうしたの?」
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