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「絢香・・・・・・・・・俺どうしたらいいのか分かんね・・・・・・・・本当に・・・・・・」
我ながら情けない事に答えがまだ出ない
"踏ん切りがつかない"と言ってもいい
親友から恋人同士の関係になる事
何より、正則を裏切った事への罪悪感
本当に自分の様な卑怯者が彼女を幸せに出来るのか
考えれば考える程に頭の中がこんがらがる
「・・・・・・・貴靖」
絢香は貴靖の左右の頬に手を当てて、こちらを向かせた
「私は貴靖が"どうしたいのか"を聞いているの!
正則や他人の事なんてどうだっていい
今一番大切なのは、あんたが"どうしたいか"よ!」
この言葉に自分の中で何かが吹っ切れた
「・・・・・・貴靖は・・・・・・どうしたいの?」
「俺は・・・・・・・」
絢香の事が好きだ
愛している
言えたら・・・・・・どんなにいいのだろうか
あの時、プリクラの中でのキス
あれから魔法にかかった様に絢香の存在が大きくなっていった
だからこそなのか、正則に対して裏切り行為に他ならない事をしてしまっていた
自分はそこまで絢香を欲しがっていた
絢香を愛してしまった
しかし、それでも心の中にある罪悪感のしがらみが邪魔をする
その時、不意に絢香が両頬に当てていた手を離して貴靖を抱き寄せた
「貴靖・・・・・・正則を失ったのは私も同じなのよ?
あんたが正則の事で背負い込んでいるなら・・・・・・・・・私がそれを一緒に背負う・・・・・・!
あんたは一人じゃない・・・・!」
「--------------!」
瞬間、何かが変わった
そして絢香は続けて言った
「貴靖・・・・・・・あんたは"どうしたい"?」
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