想い オモイ

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貴靖の眼からは涙が更に溢れていた しかし、それは絢香も同じだった そして 「俺は-----!」 貴靖は答えを出せた 否、答えなんてモノはキスをされるとっくの昔に出ていた ただそれに自分自身が気付かないふりをして蓋をしていただけだった だが、もうそんな事をする必要はない 今日で終わりだ ここまで来たら行くしかない 引き下がる事はしない 貴靖は今の感情と気持ちと全てを絢香にぶつけた 「絢香・・・・・お前が好きだ・・・・・!」 お互いに抱き寄せたまま貴靖は静かだがしっかり力強く言った 「・・・・・・・バカ」 それが絢香の第一声だった 「バカ!! 遅過ぎるのよ! 私がどれだけそれを待っていたか分かる!? このバカ!馬鹿!バカ!」 絢香は貴靖の背中を叩いて涙を流しながら怒鳴った 「・・・・・・・・・ゴメン 本当に・・・・・ゴメン」 貴靖は叩かれている背中に痛みを感じながら微笑んでいた その眼には相変わらず涙が伝っていた 「・・・・・・でももう許す 但しこれ・・・・・・ね?」 絢香は体を貴靖から離すと目を閉じた それを見た貴靖も目を閉じる そして、2人は吸い寄せられる様にお互いに口付けを何時までも交わした 桜舞う春の夕暮れ 口付けを交わす2人の影が屋上に映し出され続けた
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