桜 サクラ

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春の陽気に誘発された眠気は昼を告げるチャイムで打ち破られた 「・・・うっせー・・・・・」 短い文句をついて口から溢れ出していた涎を拭う 軽く眠気が残る眼は宙を見上げる ボーっとただ空を漂う (そういえば・・・・・・今日昼上がりだったけ) 下階の校舎は騒がしくなっている 体をひねり玄関を見るとちらほらと気の早い輩が校門に向かっているのが見えた (俺も帰ろっと・・・・・) 昼寝の予定を立てながら貴靖は荷物を取りに教室に向かった カバンは机の横に掛かっていた これを取れば家のベットまで一直線だ 「よう!サボり魔」 「おぉ、誰だ!?」 「流石のボケ返しありがとうございます貴靖先生」 「いやいや君もまた腕を上げたようだね正則君」 これもいつもの光景だ 幼なじみの正則との軽いボケ合戦 「つーか、またサボりか? 真面目に出席している俺がアホみたいじゃねーか」 「事実お前バカじゃん」 「うっせーよ! それより貴靖これから帰りか?」 「あぁ、お前は?」 「委員会だ 全く・・・・・・勘弁してくれよ…」 「フフフフ、頑張りたまえ正則君」 「人の不幸を笑うな!!」 「冗談だ冗談、まぁとにかく頑張れよ」 「あぁ、そんじゃ」 「応、グッドラック!」 正則は教室を後にして貴靖はカバンを肩に掛けて教室を出る
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