愛して アイシテ

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「おはよー!貴靖」 玄関の扉を開けるとやはり絢香がいた 相変わらず朝から明るい笑顔を振りまいて元気そうだ 「どうした?こんな朝っぱらから」 学校へ一緒に行こうと誘うにしては時間が早い 出るには一時間近く余裕がある 「いや~特に用はないんだけど、早起きしちゃってさ~」 「つまり・・・・暇だと?」 「うん!!」 屈託無い笑顔で思い切り頷かれた 「・・・・まぁ入れよ」 「おっ邪魔しま~す!」 玄関を上がって来た絢香は妙に嬉しそうだった 理由は言わずもがな リビングに通された絢香はついていたテレビでニュースを眺めていた 芸能ニュースでは大人気シリーズ映画の試写会の話題を取り上げていた (あれあの後どうなったのかな……) ぼんやりとテレビを眺めていたら貴靖が絢香の前に麦茶の入ったグラスを置いた 「はいよ」 「あぁ、ありがとう」 貴靖はグラスを置いたら再び朝食を食べ始めた その事に気付いた絢香はハッとした 「もしかして邪魔だった?」 「え?何でだ?」 「いや、ご飯の途中だったっぽいから」 「そんな事はない 来てくれ俺は嬉しい」 「・・・・・・そっか、良かった」 絢香はホッとした様に息を小さくして貴靖の傍に座り直した
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