愛して アイシテ

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本音では行きたくなくなってきた学校でも行かなければいけないのが現実だ 入学式も間もない時期に休めば教師教員の覚えも悪くなる 結局朝はいつもより早めの時間で出た 何時までもあの状態だったなら、学校とか教師の覚えとかどうでもよくなってしまうからだ なんとも恐ろしい いつもの道をいつものルートで絢香と並んで歩く 特に変わり無い光景だが、2人の関係は変わっている そのことが実際に今2人に新鮮ななんとも言えない感覚を与えている 貴靖は自転車を押している手に余計に力が入っている事に気付いた というよりは動き自体がぎこちない事に気付いた 「ははは、別にキンチョーしなくていいよ」 それに気付いた絢香が笑いながら脇腹をつついてくる 「や、やめろ」 くすぐったいのもあって笑ってしまう お蔭でいつもの調子に戻った それは同時に貴靖に安心と余裕を取り戻させた (絢香に感謝だな・・・・) 微笑みながらそう思った 「ありがとうな絢香 いつもの調子に戻った」 素直に感謝の思いを述べたら絢香は笑ったが半ばほっとしている様子だった 「良かった~ なんかいつもより硬いから心配しちゃった」 「そうか・・・・・ごめんな ちょっと見栄張っちまったな~・・・・」 「大丈夫、貴靖はいつもでもカッコイイから」 「それは嬉しいな」 「なら、嬉しいついでに」 そう言って絢香は貴靖の腕に自分の腕を絡ませてきた 「嬉しい?」 「とてつもなく」 「えへへ、良かった」 絢香は満足気な眩しい笑みを浮かべた それに応えて貴靖も微笑み返した 周りからは密やかな話声が大量に聞こえて来たが2人はそれでもお構いなしだった そして、その後も2人は腕を絡ませて学校まで馬鹿話をしながら道を歩んだ そんな2人を黒いリムジンから覗く人影があった 「・・・・許しませんわ・・・・・・・玉城・・・絢香・・・・!」 彼女の嫉妬の矛先は完全に絢香に向いていた
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