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『撮影まで10秒前』
可愛らしい声でカウントが進む
煽る様にカウントの下に
"もっと近づいて"
と表示されている
「だってさ~♪」
「だってさ~、じゃない!止めろ!」
絢香が貴靖の首に腕を廻して抱きついて来た
「や~だ~
ほら笑って笑って」
「笑えねーよ!」
と言っている内にカウントは進む
『3』
「・・・・・・んっ・・・」
そして撮影直前に2人のやり取りが急に無くなった
(ハァ?・・・・・え?・・・・・)
貴靖の唇に絢香の唇が吸い付いて来た
貴靖の頭は思考回路を止めてしまっていた
「んっ・・・・・・ん・・・・・」
時折に息継ぎの声が漏れる
そしてシャッターの音が切られた
撮影が終わった後に貴靖は絢香に外で待ってほしいと言われ5.6分間プリクラ機の外で待たされた
ピンクカラーのプリクラ機に男が1人寄りかかっているなんて端から見ておかしいだろうが、そんな事はどうでもいい
プリクラの中での事
何が彼女をそうさせたのか
まさか絢香は自分を・・・・・?
そんな訳ない・・・・・
「終わったよ~
ってどうしたの?」
「いや、なんでもない
帰るぞ」
「うん」
スーパーで手短に買い物を済ました2人は家路を進んだ
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