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季節はすっかり秋へと変わり、孤独を感じると心を置いてきぼりにしなければ、他人との付き合いが上手に出来なくなってきた。自分とは異なる人種とのコミュニコーションは負担になるとは分かっていても、それでも生きていく為に、自分で自分を武装して、作り物の笑顔で決まり文句の挨拶。 それに嫌気が差したのだと思う。 突発的な自分の行動はそうとしか言い様がない。周囲からの信頼を一気に無くす行いを、まさか自ら進んでやることになろうとは。 妹尾未夜太は、自分が今、就業時間内であるにも関わらず、全く関係のないパチンコ屋で、しかも鞄の中には今日の午後からの会議で使うことになっている書類が入っている状態で、当たりもないままずうっと台の前で座っている理由を取り敢えず、そう考えてみた。札はすぐに玉に変わり、その玉はどんどん穴に吸い込まれていく。 第一、今までパチンコなど未夜太はやった事がないのだから。
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