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『優ちゃん川好きだいなぁ♪』
優ちゃん事、藤堂優子
俺が小さい頃に隣に引っ越してきた子。
『こ、ここ、今度、え~~~っと....川行こうよ♪』
優ちゃんは喋る時、どもる事が多い。
俺が初めて会った時も、優ちゃんはどもっていた。
優ちゃんママは言ってた。
大きくなれば治るって、
でも小学校に入ると、その喋り方はいじめのターゲットだった。
国語の音読の時間とか、道徳の発表とか、優ちゃんの一番苦手な事で
『お前ちゃんと喋れないんだんべえ?』
なんてからかう奴を俺は容赦なく蹴り飛ばしていた。
『か、か、かず』って言える時もある。
『か.....』で言葉が止まる時もある。
上手く喋れない苛立ちを優ちゃんは、下唇を噛んだり、太ももを叩いたり、髪を掻きむしったりする。
だから俺はすぐに分かる。
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