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Side…仁
俺がこの街に来たのは、16歳の時。
中学の終わりに親が死んでから、親戚をたらい回しにされた俺は、厄介者扱いされて問題ばかりを起こし親戚からも疎まれた。
優秀な家系だったのに、俺にはその才能が無かったらしくてさ…
それでも親父も母さんも俺を愛してくれてた。
勉強が苦手でも、サッカーや英語が好きだったから、いつかプロになれればいいねって、笑って言ってくれてたんだ。
だけど二人が事故で死んで、一人ぼっちになってさ…
親戚に疎まれて…
家を飛び出した、16歳の時。
小さなバックに荷物とあるだけの金を詰めて、行く宛もなくただフラフラ歩いてたどり着いた、場所…
どうしていいかわからずに、路地裏に座り込む俺に手を差し延べてくれた人がいた…
それが、俺のボス。
長瀬さんが俺を拾ってくれたんだ。
何も知らない、何もないガキをさ…
笑顔で拾ってくれて…
だから、嬉しかった。
それが例えマフィアのボスだとしても、俺はかまわなかった。
長瀬さんが必要としてくれるなら、どこまでもついて行きたいって、そう思ったんだ。
だから頑張った。
長瀬さんに認めてもらえるように…
少しでも力になれるように、とにかく必死に頑張ったんだ。
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