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愚民どもが私の机に書きなぐった不埒な落書き…
私は、そのことを母に言えなかった。
私は、そのことを父に言えなかった。
以前から母親がバイト先のスナックで客を誘い、売春していたのは薄々だが知っていた。
私がスクール水着で下校しようとした日、母は学校から連絡を受けると私の私服を持って私を迎えに来た。
母は一張羅を紛失した私を咎めたりしなかった。
母は私の顔を見るなり悔し涙を流し唇を噛み締めて、私を抱き締めさめざめと泣いた…
担任の教師と校長先生は面倒臭そうに私達を見守っていた。
制服を直ぐに購入できる状態でない母は私に何度も謝る…
惨めだった。
強く私のことを叱ってくれた方が気が楽だったのに…
着ていく服がなくて数日の間、中学の体操服で学校に登下校せざるを得なかった私…
母は私を不憫に思ったに違いない。
少ない収入の中で突然の出費に対応できるはずがない母…
悩みに悩んで母は私の為にカラダを張ったのだろう…
数日後には何故か臨時収入があったと母は新しい制服を用意して明るい笑顔で私を迎えた。
私は母の愛情に泣いた。
売春は犯罪だ…
しかし、私は母の罪を責めるお前等の腐った正義感を許さない!
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