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その時、レジにいたハズの老人がすぐ背後から話し掛けてきました。
「その本、変わっているだろう」
驚いたけど、今は誰かにそばにいてほしかったのですぐにホッとしました。
こんな気持ちの悪い写真集(らしきもの)を何で陳列させているのか疑問に思った私がすぐに「なんですかコレ……」と問うと、老人は間髪入れずにこう言いました。
「これはね、読むと、“足の無い人”が見えるようになるんだよ」
──は?
思わず老人の足に目をやると。
──わ~~~~~~~~~!
って心では絶叫してましたが、声がでませんでした。
さっきの本も怖かったけど、一番怖いのは“足の無い老人”が浮いているという光景です……。
「……あ」
声帯が震えたせいでようやく小さな悲鳴が絞り出せたのですが、老人がニタァ……と怪しく顔に皺を寄せました。
もはや妖怪の顔です。
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