『クリス・バートラーの最期』

運が悪かった？

何となく気になって、手にとって開いてみたのです。
本の中身はビニール加工されたこれまた黒い厚紙で、初めの３ページは真っ黒で何も書かれていませんでした。

もしかしてこれだけ？　と思いながら次のページを開くと、そこには女性の顔が載っていました。
鏡に映っているみたいで、黒渕で丸い大きな鏡の真ん中に、女性が真正面を向いて無表情で映っています。
クレオパトラみたいな黒髪のおかっぱで、目が大きく、色白で、唇だけが真っ赤。日本人形の顔が西洋風になった感じです。
服は、赤いノースリーブのワンピースを着ているみたいでした。

何これ？　変な女。と、少し吹き出してしまいました。

それから数ページは女性の同じような写真で、少しアングルが遠くなったり、斜めになったり、変化はそのぐらいでした。
そんな女性を色んなバリエーションで撮っても面白くないんだけど……と飽き始めた時、次のページに衝撃を受けました。

片方の目が、というか眼球だけが、すごいアップで映されていました。
目はむけそうなぐらい開かれていて、瞳孔や血管、まつげの生え際まではっきり見えて、気持ち悪いことこの上ない……。