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とっさにページをめくると、次は今の眼球写真のピンぼけバージョンでした。
一体なんなんだろうこれ……と気色悪さを感じながらも、次々とページをめくるのを止められませんでした。
そこにはピンぼけバージョンを始め、グニャっと歪んだもの、縮小されたもの、黒目だけにズーム(ピンぼけで)されたものなど、色々なバリエーションで眼球が撮影されていました。
──なんでこんな……目ばっかり……。
うんざりしてきた時、最初にあった鏡の中の女性写真が再び出てきました。
でも今度は女性はちょっと上目遣いで、首には何か巻き付いているようでした。
次のページにいくと女性は椅子の上に立っていて、首に巻き付いていたのはロープで、それは天井と繋がっていると分かりました。
そしてその目は、まっすぐに鏡の中(であろう)を見ているのです。
背筋が寒くなるのを感じて、最後のページを開けずにいました。
手が震える……。それでもなぜか、ゆっくりと手が動いてページを開こうとするのです。
──いやだいやだ……見たくない。
そう思っているのに手は勝手に動いて、ついに最後のページを開いてしまいました。
思ったとおり、そこには首を左にぽっきりと曲げた女性が吊り下げられている写真がありました。
それでも目線は鏡の中を真っ直ぐ見ていて、まるで私と目が合うよう。
その瞬間、全身に変な痛みが電気のように走って、苦しくなりました。
酸っぱいものを食べたときに顎がキューっと縮んだような感じがするでしょう? あれの強力なやつって感じです。
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