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「わお、真っ暗」
やっと目を覚ましたら当たりは闇の中みたいに真っ暗だった
電気もない時代だしね
「さてと、探検にでも行きますか」
タンッ
着地成功っ!
「それにしても人いないなぁ
まぁ夜だから仕方ないか」
ドンッ
「いった……
どこ見て歩いてんの?」
ってかこの広い道で私にぶつかるとか、わざととしか思えない
「お前こそそんなとこに突っ立て邪魔くせぇよ
まぁ謝れば許してやる」
「……ハッ、謝るって誰が?」
「調子に乗りやがって…後悔しても知らねーからな!
おい、やっちまえ!」
ベタすぎて面白くない
ってか後悔なんてしないし、多勢に無勢とか卑怯じゃない?
ピッ
耳から外したイヤリングは、みるみる形を変えてて日本刀となった
「久しぶりだなぁ、3年前の稽古以来かも
まぁお兄さん達には調度いいハンデになるでしょ」
「ば、馬鹿にするなッ!!」
「覚悟しろッ!!」
キィーッン
「……――動きが遅いよ
お兄さん達、運が悪かったね
私に会わなければもう少し生きられたかもしれないのに」
刀を受け止めて一瞬の隙をついてはじく
そんなの私にとっては呼吸するのと同じようなことだ
「まぁそれもまた運命――……かな?」
ザシュッ
男を斬り捨てた私の刀は血で綺麗な紅に染まっている
あ、服汚れちゃった……
せっかく変換したばっかりなのになぁ
「ほら、残りの人もかかってきなよ」
にこりと相手に微笑む私
だってずっと怖い顔してたら疲れちゃうでしょ?
「う、うわぁぁああッ!?
殺されるーッ!!」
「に、逃げるぞッ!!」
ズバッ
ズグッ
「あーあ、敵に背中を向けて逃げるなんて呆れた」
背中の傷は剣士の恥…とか知らないわけ?
「ねぇ、さっきから屋根の上で見てる貴方もそう思うでしょ?」
さっきから気配を消して私の様子を見てたみたいだけど、それに気づかない私ではない
見てたなら助けてくれればいいのに
まぁそんなとこからして、いい奴とは思えない
「おーい」
「……」
無視――……か
これじゃあ私が痛い人みたいじゃん
「バレてんだからさっさと出てきてよ」
バッ
……逃げちゃった
まぁいっか
別に私の存在が知られて困ることは、なんにもないしね
むしろ私の存在を知ってあっちから出てきてくれた方が、私の手間も省けるし
「……でも無視したのはムカつく」
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