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「歳、俺ー」
「俺じゃあ誰だかわかんねーよ、入れ」
中から低い声の返事が返ってくると、山崎は襖を開け中へ入っていった。
「見てよこれ、拾っちゃった♪」
「お前に仕事やったよな?
頼むからちゃんと働いてくれよ
んで何を拾って……」
振り向いて机の上の書物からやっと目を離した男は、山崎の腕の中で眠っている凜を見て思わず目を見開く。
「かわいいっしょー?」
「……お前、死体拾ってくんなよ」
あっ、なんか歳が俺のこと誤解してる気がする
「この子生きてるってば(汗)
寝てるだけだし、これは返り血だよ」
「……――返り血?
まさか、昨日の奴っていうのは……」
「そ、この子♪
朝から探しに行こうと思ったら屋根の上で寝てるんだもん、驚いちゃったよ」
にこにこと話しながら、山崎は凜の髪をスッと軽くすくう。
「……――起こせ」
「えー、ぐっすり寝てんのに起こすなんて可哀相だよ」
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