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佐藤凜、ただ今とても気まずい状況におちいっています……
実は持ち上げられた時から起きてたんだけど、なんかこんな状況になっちゃった
さて、どうしたものか
「さっさと起こしやがれ」
「ほんと歳って乱暴だよね
女の子は、大事にしてあげなきゃ逃げちゃうんだよ?」
何この人――……気持ち悪い
こういうタラシっぽい人って、大の苦手なんだよね
「じゃあ俺が腹殴って起こしてやるよ」
男はそう言って、拳を握り締めた腕を上に振り上げる。
ダンッ
「……――どういうつもり?」
「起きてたのかッ!?」
「っていうか痛いんだけど
思いっきり俺のこと足場にして飛んだよね
いい度胸してるんじゃない?」
凜が飛ぶための足場にされた山崎はにこにこと微笑んでいたが、後ろからはどす黒いオーラが滲み出ていた。
「あぁー……ごめんね?」
まったくもって誠意の感じられない謝罪の言葉に、山崎は思わず眉間に皺をよせる。
「謝るならさぁ、もっときちんと謝ろうよ
ねぇ、できるよね?」
何この人ッ!!怖いって!!
目が笑ってないよッ!?
でも――……謝ったら負けな気がする!!
「しっ知らないよ、足元にいた貴方が悪いんじゃないですかー?」
「ふーん、君名前は?」
「渡辺権兵衛( ワタナベ ゴンベエ )?」
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