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「逃げられました」
思いっきり頬を膨らまして報告する私
廃墟から真っ直ぐに署に来たんだけどえらくない?
「ハハッ、またかよ
警察署で1番強くて頭のキレる佐藤凜( サトウ リン )もアイツには敵わねーのな」
そう言って馬鹿にした様に笑っているのは片井健吾( カタイ ケンゴ )、私の上司だ
ってかこんな談話してる場合じゃなかった
「部長、お金出してください
今すぐ行かないと部長のこと孫の代まで呪いますよ?」
「よし行ってこい、今すぐ行ってこい」
すごく不機嫌そうな私を見た部長は即答する
多分暴れられるとめんどうだからだろうけどね
「つーか最初っからそのつもりだったしな
ほらよ、やる」
「うわっ投げないでくださいよっ!
確か使う時は割ればいいんですよね」
今の科学もすごいもんだ
こんなガラス玉を割るだけで時間を自由に行き来できるんだから
「でも、よくコレ使うの許可出ましたね
上が反対したんじゃないですかー?
「ったりめーだろ
何億すると思ってんだよ
ちゃんと準備してからにしろ
あと、色々必要なもん持ってけ」
「はいはい
言われなくてもわかってますって
気が向いたら報告もすればいいんでしょ?」
「随・時・し・ろ!!(怒)」
予想通りの反応に、私はアハハ……と苦笑いで返す
「まぁいいや
じゃ、さっそく行ってきますね」
「あぁ、さっさと行け」
ダッ
――――――――――
相変わらずせっかちな奴だな…
まぁアイツが佐藤に簡単に捕まるとは思えねーし、案外でかいヤマだろ
「……満足するまで暴れてこい、佐藤」
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