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ヒュルルルルル
うわー、コレ落ちてるよね?
明らかに落ちてるよね?
私いきなり死ぬの?
「って私はまだ死ねないっつの」
グルンッ
私は身体を回転させて頭を上に、そして足を下に持っていく
よし、後は着地…ってこのまま行ったら骨折するよねー
しかも下に人いるし
「危ないですよーって、もう無理か
ごめんなさーい、謝っときまーす」
下にいる男は私の声に気づいたらしい
そして意味がわからないという顔でこっちを見た
「は……?」
「頑張って受け止めてくださいねー」
ドンッ
「痛ッテーッ!?」
だから受け止めてって言ったのに……
でも下敷きがあってよかった
ケガもしなかったし
「すみません、大丈夫でしたか?」
「……」
返事がない、ただの屍のようだ
というかホントに死んじゃった?
「ご愁傷様です
安らかに眠ってください」
私は一応手を合わせる
だって呪われたらかなわないし
「って、うわっ!?」
「勝手に殺すな!!
早く俺の上からどけろよ」
「あぁ、ごめんなさい
ケガとかありませんでした?」
男からおりた私は手を差し出す
そんな私の手を男は素直に握った
「すまねぇな」
しかし、起き上がった瞬間ジロリと私を観察し始る
……な…なに?
変質者?
「お前さぁ、今空から降ってきたよな?」
うわぁ、いきなり痛いとこ突かれちゃった
ってかこれはもう逃げるしかないでしょう
「なんのことですかね
頭おかしいんじゃないですか?
では、私はこの辺で」
ダッ
早口で切り上げ、男の前から猛スピードで立ち去る
幸いなことに男も追ってはこなかった
「あっぶなかったー」
色々聞かれると面倒だしね
それにしても、いつの時代も屋根の上はごつごつしてて寝ずらいんだ…
「あ、そだ
ジャンジャジャーン♪服変換機ぃ~…」
ってむなしすぎる…
まぁいいや、とりあえず着替えよ
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