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数時間後、その部屋に一人の少女が入ってきて早々に顔をしかめた。
彼女が顔をしかめた理由は保護者が彼女の苦労を気にせずのんびり煙草を吸っているからではない。
その保護者を狙った敵がベッドの上で全裸で死んでいるからでも無い。
その部屋中に、死体が転がっていたからだった。
「佳奈、遅かったじゃないか♪」
「申し訳ございません。」
佳奈と呼ばれた少女は足元に気をつけながら無音に向かっていく。
「それで、どうだった?」
「いえ、手がかりはありませんでした。最近我々を襲っている者とは無関係でした。この者達は……」
「いや、関係が無いのならいいんだ。私は聞く前に殺してしまったしね。」
「…………『修羅』になったのですか?」
「……悲しい事だね。本来『修羅』となるのは暗殺者としての究極形態だ。だが最近の暗殺者は修羅になった途端に命を落としてしまう。」
無音は無造作に落ちていたモノを拾い、適当に放り投げる。
放り投げられたモノ、先程無音に押し倒された女性の首が壁にぶつかって潰れた。
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