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「待たせたな。」
「遅いわよ~?」
ある居酒屋の個室にて、美琴はしつこい友人に誘われてここに来た。
九重麗華、彼女もまた暗殺者である。また美琴と歳も近いので良い友人であった。
「なぁに、もしかして愛しい子供の寝顔を堪能してた?」
「うるさい。」
席につき、適当に注文する。美琴と麗華は苦手なモノが無いので大抵こういう方法であった。
この二人の関係は長い。まだ二人が幼く、保護者に連れられていた頃からの付き合いとなる。むしろ、保護者同士が友達だったのだ。
十条美琴の保護者であった十条真琴、九重麗華の保護者であった九重可憐。今は亡き暗殺者達である。
「しっかし、相変わらず一線は守っているわね、尊敬するわよ?」
「尊敬される謂われも無いな。」
「あるわよ……辛くない?我が子を暗殺者にしてしまった事……」
つまみに伸ばしかけていた箸が止まる。だがそれは一瞬、すぐさま美琴の箸はキムチを掴んだ。
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