2 十条美琴

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美琴が仮の住処に戻った時、少年は既に寝ていた。それを見て美琴は少し安心したような表情を浮かべている。 だが、近付かない。 訓練された少年は人が近付くだけで熟睡中でも目を覚ます。だから美琴は近付かないでいる。我が子の睡眠を邪魔する気は無いのだろう。 少年の寝顔をしばらく見つめながら、美琴はそっと離れ、自分の部屋に入る。 パソコンを起動し、様々な情報を流し見ている。 (新しい指令は無し……例の襲撃者に関しては特筆すべき追加情報も無しか。) 酔い覚ましにコーヒーを淹れ、パソコンを操作する。そんな中、一通のメールが届いた。 『親愛なる十条美琴様』 その部分だけを読み、無言で削除した。相手が誰なのか分かっているのでそういう対応らしい。 すぐさま次のメールが来た。 『あの、まだ怒ってる?』 また無言で削除した。以後何通もメールが届いたがタイトルだけ見て削除し続けた。 (あー……無音ウザい。)
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