2 十条美琴

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(相変わらずの空気だな、ここは……) 並べられた死体を眺めながら、足を進めていく。残念ながら死体を見て吐き気を催すような可愛らしさは美琴にはなかった。 しばらく歩いた美琴だが、ようやく足を止めた。その視線の先には三体の死体が並べられていた。 一つ目の死体。全身を引き裂かれたような傷に覆われていた。皮膚、筋肉、その下にして中心である骨までも見えていた。 二つ目の死体。全身に殴られた跡……否、体に『空いた』穴は拳くらいの大きさだが人の力とは思えない。 そして、三つ目の死体。それは最も美琴を戦慄させた。 「……これは、何だ?」 首から上が……いや、違った。口が裂けていた。口が裂けて、辛うじて口より上が残っている状態だった。 強引に口を開かせ、更にこじ開けたような殺し方。グロテスクとしか呼べない死体を見ながら、美琴は溜め息を吐いた。 「……例の奴ら、相当悪質だな。」 出来るならあの子には戦わせたくない、そんな事を思いながら美琴は踵を返した。
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