2 十条美琴

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美琴が車に戻ると同時に、携帯にメールが届いた。無言でメールを確認した美琴は、やはり無言で車を走らせた。 メールは仕事の指示だった。詳しい内容はパソコンのメール箱に届いているので、美琴はそれを見る為に車を急がせる。 だが、それを邪魔するように電話が鳴る。美琴は苛立ちを感じながら通話ボタンを押した。 『やぁ、元気か』 即座に通話を切る。知らない番号故に気付かなかっただけで、相手が無音なら話す意味は無いと判断したようだ。 その後、何度か着信があったが電源を切る事で大人しくなった。 (バカ…………) 自室に戻り、パソコンに届いていたメールを確認する。その内容に目を通しながら、頭の中で作戦を練る。 ある暴力団の抗争に介入し全員を殺害、あの少年に最も向いた『殲滅作戦』が今回の任務だった。その様々な情報を読みながら美琴は完璧とも言える作戦を仕上げる。 (イレギュラーが無ければ完璧、あっても何とかするには……)
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